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Transcribe the Imagination

第11章 *Pandora's box

目が覚めると、温もりに包まれてた。
素肌が擦れて気持ちいい……。

ん?素肌?
バッと顔を上げると見慣れた顔。

驚きすぎて声が出なくて口だけパクパクした。

「あ、おはようございます」

駄目だ。全く声が出ない。

「良く寝れましたか?智さん」
「っ!?」

さ、智さん!?

「パクパクしてますけど鯉のモノマネですか?」
「ち、違っ」
「俺も出来ますよ」

櫻井君がパクパクし始めた。

「し、しなくていいから!」
「そうですか?」
「え、で……なんで櫻井君が?二宮は?」

確か、恵比寿で櫻井君を見つけて、
僕、何故か泣いちゃって……。

それから記憶がないんですけど……。

「二宮さんが智さんを……」
「待って!智さんって、呼んでたっけ?」
「智さんがそう呼べって」

僕、そんなこと言ったの!?

「で、何で上半身裸なの?」
「え?二宮さんが『大野さんは上半身裸で抱き締めるとよく寝れるから』って」

……変なこと吹き込んだな。

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