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Transcribe the Imagination

第11章 *Pandora's box

「二人が…付き合ってるのか、と……」
「それで?」

微笑みかけられて、素直な言葉が落ちてくる。

「し、嫉妬して……」

この涙は酒のせいだ。

「智さんは俺のこと、どう思ってるんですか?」
「え?」
「どうなんですか?」

僕は……僕は……

「しょーくんが好き」
「はあ……」

しょーくんが俯いてため息をついた。
そのままベッドまで歩いてそのまま埋まった。

どうしよう。
やっぱ男からなんて無理だよね。

僕だって、男から告白されたら嫌だもん。

でも、僕はね。
初めてなんだよ、男を好きになるの。

「あの……ごめんね、しょーくん」
「智さん、ですよね?」
「え、あ、うん」

篭った声で聞いてきた。

「これ、現実ですか?」
「え?」
「夢じゃないですよね?」
「うん、夢じゃないよ」

夢じゃない、と自分で言うと悲しくなる。
しょーくんは受け入れてくれないんだから。

「どうしよう……めっちゃ嬉しい」
「え?」
「智さん、好きです、大好きです」

しょーくんが赤い顔のまま、
散らかってる物を踏みながら僕の前に立った。

「しょーくん…」
「泣かないで下さい、大好きです」

ギュッと抱き締められる。

「うぅ」
「泣かないで下さい」
「無理ぃ……」

だって、この涙は酒のせいなんだもん。

━END━

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