Transcribe the Imagination
第13章 *Sleet ball
「しょーは何部?」
「テニス」
「へえ、なんか意外だなぁ」
「意外って何だよ」
屋上からグラウンドを眺める。
「しょーは水球とかしてそう」
「水球?知らね」
「え、知らないの?」
「知らね」
大野のことが分かってきた。
母子家庭で色々な苦労をしていたらしい。
けど、推薦入学で美高に入ったけど、
嫌がらせがエスカレートして最終的にはキャンパスが引き裂かれていたらしい。
先生からその話を聞いた母は、
大野の引っ越しを決めたそうだ。
大野も母の言うことを受け入れた。
「絵、もう描かねえの?」
「んー、どうしよ」
「俺でも描いてよ」
「え?」
大野の驚いた顔が目に焼き付いた。
「大野、俺でも描いとけ」
「え、でも……」
「遠慮なんてすんな」
教科書の隅に描かれた牛の絵。
俺、あの絵好きなんだ。
一瞬で心を奪われた。
でも、そんなこと照れ臭くて言えない。
「大野」
肩に触れると、震えていた。
「大野?」
「……った……」
「テニス」
「へえ、なんか意外だなぁ」
「意外って何だよ」
屋上からグラウンドを眺める。
「しょーは水球とかしてそう」
「水球?知らね」
「え、知らないの?」
「知らね」
大野のことが分かってきた。
母子家庭で色々な苦労をしていたらしい。
けど、推薦入学で美高に入ったけど、
嫌がらせがエスカレートして最終的にはキャンパスが引き裂かれていたらしい。
先生からその話を聞いた母は、
大野の引っ越しを決めたそうだ。
大野も母の言うことを受け入れた。
「絵、もう描かねえの?」
「んー、どうしよ」
「俺でも描いてよ」
「え?」
大野の驚いた顔が目に焼き付いた。
「大野、俺でも描いとけ」
「え、でも……」
「遠慮なんてすんな」
教科書の隅に描かれた牛の絵。
俺、あの絵好きなんだ。
一瞬で心を奪われた。
でも、そんなこと照れ臭くて言えない。
「大野」
肩に触れると、震えていた。
「大野?」
「……った……」