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Transcribe the Imagination

第2章 *Mirage

「ねえねえ、俺ね、三年の相葉」

あ、先輩だった。

「君は?」
「俺は二年の二宮です」

相葉先輩の隣に座る。

「二宮君って肌白いね、女の子みたい」

そう言って俺の腕に触れた。
驚いてビクッと反応してしまった。

「あ、ごめんね。急に触っちゃって」
「いや、別に」

相葉先輩の手が冷たかった。
こんな晴れた日なのに。

冷え性?

「相葉先輩、冷え性先生って知ってます?」
「冷え性先生?」

三年は知らないのか。

「二年学年主任の櫻井翔先生」
「んー、ごめん。知らないや」

あれ?そーいや、
冷え性先生って三年の古文担当はしてなかったけ?

「その櫻井先生がどうしたの?」
「あ、とてつもない冷え性なんですよ」
「へえ!」

相葉先輩の頷きが大きい。
何か…

「オーバーリアクション」
「え!酷っ!」
「それそれ」
「二宮君、やめてよー!」

相葉先輩に擽られる。

「え、俺、効きませんよ?」
「ちぇー、つまんないのー」

相葉先輩見てるだけで面白い。

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