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Transcribe the Imagination

第2章 *Mirage

アノ日から、屋上に行くのは日常になってた。

「ねえねえ、二宮君」
「何すか」

相葉先輩を校舎で見かけたことがない。

「二宮君って本当にこの学校の生徒?」
「はあ?何言ってんすか」

俺は同じことを聞き返したいよ。

「だって、校舎で二宮君のこと見かけたことないんだもん」
「俺だってないっす。てか学年違うし、接点も少ないじゃないですか」

「あ。そっか」

相葉先輩はどこか抜けてる。
しかもちょっぴり天然。

「今日はピアノ持ってきてないの?」
「ピアノ、盗まれた」
「え!?」

「いつもの通り、音楽室から掻っ攫ってこようと思ったらなくてさー」

音楽室は俺の家みたいなもんだからな。

「え。それって二宮君が盗んでるじゃん」

キッと相葉先輩を睨むと、ビクッとした。
それが面白くて笑ってしまった。

「俺の家だからいーんです」
「家じゃないよね!?」
「あ、そーいや相葉先輩の家ってどこ?」

そう聞くと、黙ってしまった。

「あのね……実は、俺!」
「死んでるんでしょ?」

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