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Transcribe the Imagination

第16章 **Cream puff

「そんな怒んなって」
「怒ってないもん」

授業が終わるとすぐに俺の元に来て、
腕を絡められた。

「そうだなー、翔は俺が大好きだもんなー」
「うん、そうだよ」

真顔で俺を見て言うから、
ちょっと驚いた。

「翔、お前大胆過ぎるぞ」
「そうかな?」
「相手が俺だからいいものも…ほら、女子が指銜えて俺らのこと見てる」
「指?銜えてないじゃん」
「比喩だよ、バーカ」

更衣室に入ると全員が俺らのことを、
バッと一斉に見た。

「か、会長、ちょっと…」
「え?何?」

翔が呼ばれて、俺から離れていった。
それが少し寂しく感じて、俺は翔が好きなんだって再確認させられた。

「松本、ちょっと」

俺も呼び出された。
呼んだのは、ちょっとアブない奴ら。

集団リンチしたりする奴ら。

俺はそんなことはしない。
ただ、殴ってきた奴を自分の拳で殴り返す。

ただ、それだけの話。

ベタな校舎裏に連れて行かれた。
薄々、気付いてたよ。

今から、リンチすんだろ?

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