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Transcribe the Imagination

第16章 **Cream puff

「あれれ?俺、邪魔?」

森山が茶化すみたいにそう言った。

「あ、先生、絆創膏ってありますか?」
「はい、会長♪」

完全に楽しんでやがる。
森山の野郎…。

「潤、貼るね」
「あ、いいよ、自分で―」
「俺がやりたいの!」
「は、はい」

圧倒されちゃって、
翔に絆創膏を貼って貰った。

「あ、やべ、図書館に用事あった」

急に森山があわあわしだして、
鍵を持つと保健室を出て行った。

一瞬の出来事で状況が把握出来なかった。

そしたら、森山が戻って来て
顔だけを扉から覗かせた。

「鍵は、俺が持つこれしかないからね」

鍵をチラつかせて、
扉をゆっくり閉めると去っていった。

「え、あ、どういうこと、かな…」
「さあなー」

翔も俺も意味は分かってる。
けど、恥ずかしいから言わないんだよね。

本当、可愛い。

「じ、潤、の、お腹今から、見るからっ、その…鍵、を閉めとくね」

途切れ途切れの言葉に頷くと、
翔はゆっくり扉に向かって鍵をかけた。

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