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Transcribe the Imagination

第18章 *Beyond the stars

「これからは、気をつけるように」

先生が俺たちを正門まで送ってくれた。

「さようなら」
「「さようなら」」

同時に頭を下げて、足を進めた。

「智、さっき…」
「じゃあね」

俺が訊く前に、
走って帰ってしまった。

『勝手に意識して、シカトだっ――』

勝手に意識?どういうことだ?
智は、俺を意識していた?

え、どういう目線で?

ライバルとして?
それとも…


『しょーくん、大好き♡』


幼い智の声と表情がフラッシュバックした。

「へ?」

智が、俺を“意識”してる?
だから、シカトしてる?

俺のことが、




好き、だから?

そう考えたら、
智を追い掛けずにはいられなかった。

「智っ!智!」

歩いてる背中が見えてきて、
名前を呼んで引き留めようとした。

けど、智は振り返って俺を見ると
そのまま走って逃げていく。

「お、おい!待てって!!」

智は昔から俺よりもずっと足が速い。
だから、逃げられたら終わりな訳で…。

「くっそ…」

俺は正規のルートとは
別の裏道へと進んだ。

遅刻しそうになったときに、
見付けた裏道。

これで、智より先に進めるはず。

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