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Transcribe the Imagination

第19章 *Ours only sign of

「潤、どうぞ♡」
「ありがとう」

雅紀と出会ったのは、
二年前の雪が降る日だった。

「はい、頂きます♡」
「頂きまーす」

初めは俺が料理をしてたけど、仕事に出ている間に雅紀の腕の方が上達していた。

「今日も旨い」
「やったぁ♡」

今日も嬉しそうに微笑ってくれる。

「ねえ、潤」
「ん?」
「明日、お休みだよね?」

モジモジしながら、
上目遣いに俺を見詰めた。

「うん、そうだけど」
「明日ね、潤に見せたい物があるの」
「見せたい物?」

意味もなくシチューを混ぜていた。

「潤は、俺のこと、好き?」
「はあ?」

今更、何言ってるんだよ。

「…え、潤は俺のこと、好きじゃ、ない?」

どんどん目が潤んでいって、
鼻先がトナカイの様に紅くなる。

「は?好きだよ」
「じゃあ、なんで怒ってるのぉ……」

シチューを混ぜることすら、
やめてしまって本格的に泣き始めた。

「雅紀が変なこと聞くからだろ」
「好きか、聞くのは、変なのぉ?」

あ、駄目だ。
涙がボロボロ出てる。

「違うって」

ティッシュで涙と鼻水を拭いてあげる。

「当たり前のこと聞いてきたから、少し驚いただけだって」

頭を撫でてやると、
ギューと抱き着いてきた。

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