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Transcribe the Imagination

第20章 *I love beginner

「ふぅ、大野君、お疲れ様」
「二宮さんも、お疲れ様ですっ」

この人の名前は“二宮和也”。
…アドバイザー的なのかは分からなかった。

「にしても、二宮さん凄く親身になって相談してるんですね!皆、喜ん……え?」

二宮さんが、ノートを机に広げてボールペンを走らせまくってる。
それも物凄いスピードで。

「黙ってろ、クソガキ!!」
「え」

えぇーーーーーーー!?

俺が驚きに浸っている間にも、
ずっとノートに何かを書いている。

「ふぅ…書き切った」

額を手の甲で拭いた。
しかも、満足気に。

「あれ?何してるの?」
「え!?い、いや…その……」

一度俺から目線を外して、
ノートに運んでまた俺を見る。

「あ、これ?気になる?」

何だか楽しげに笑ってる。
眼鏡をクイッと上げて。

「気、気になり、ますっ」
「大野君は、作家の『黒谷城』(クロヤシロ)って知ってる?」
「ああ、はい。恋愛作家の」

「あれ、俺ね」

そう言ってノートを広げた。
驚く暇もなかった。

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