Transcribe the Imagination
第22章 *Inferiority complex
久し振りに訪れた会社。
「お久しぶりです」
「二宮君!」
あの時の担当者さんはまだいた。
俺の顔を見て心配そうに笑ってくれた。
「今日は、持ち込み?」
俺に漫画家は向いてない、と言ったやつがなんで俺に持ち込みを期待するんだ。
「これ」
「え、二宮君、これ…」
持ってきたのは、泣いていた作品。
「俺には、それしかないんです。」
何度も読み返した。
描き直した。
二十話も描いた。
「二宮君…」
「笑わせたいんです…そいつらを」
俺の手から生まれる分身。
主人公は俺の目で、脇役は鼻とか耳とか。
ヒロインは口。
そして、話が俺の顔。
これにしかない顔。
「明日、会議あるから出してみるね」
「おねが――」
「あ、お疲れ様です」
向けられた差別の目。
俺を、顔を、嘲笑った。
鼻で嗤った。
お前のせいで。
お前のせいで!!
「二宮君、顔」
「……………あ、すいません」
努力もしてないお前とは違うんだ。
俺は、人五倍くらい努力してる。
負けない。
絶対に、負けない。
「お久しぶりです」
「二宮君!」
あの時の担当者さんはまだいた。
俺の顔を見て心配そうに笑ってくれた。
「今日は、持ち込み?」
俺に漫画家は向いてない、と言ったやつがなんで俺に持ち込みを期待するんだ。
「これ」
「え、二宮君、これ…」
持ってきたのは、泣いていた作品。
「俺には、それしかないんです。」
何度も読み返した。
描き直した。
二十話も描いた。
「二宮君…」
「笑わせたいんです…そいつらを」
俺の手から生まれる分身。
主人公は俺の目で、脇役は鼻とか耳とか。
ヒロインは口。
そして、話が俺の顔。
これにしかない顔。
「明日、会議あるから出してみるね」
「おねが――」
「あ、お疲れ様です」
向けられた差別の目。
俺を、顔を、嘲笑った。
鼻で嗤った。
お前のせいで。
お前のせいで!!
「二宮君、顔」
「……………あ、すいません」
努力もしてないお前とは違うんだ。
俺は、人五倍くらい努力してる。
負けない。
絶対に、負けない。