テキストサイズ

Transcribe the Imagination

第23章 *Cute that child

「あの…ごめんね、雅紀」
「いや…俺こそ、ごめん」

昨日と同様、助手席に座る。

「でも…俺は、嬉しかった、ていうか……」
「え?」

翔が顔を真っ赤にした。

「ふふ…ごめんね、変だね、俺」

柔らかく微笑った。
それは夢と同じだった。

「翔は、なんでそんなに俺といてくれるの?」
「え?」

ずっと不思議だったんだ。
突然、俺の家に来て、それからずっと仲良くしてもらって。

「雅紀は覚えてる?」
「え?」
「小学生の時、雅紀に助けてもらったんだ」

小学生の時?

「俺、昔からここで育ったけど」
「え……」

翔の顔が驚きに溢れかえっていた。

「じゃ、爺ちゃんと婆ちゃんの家は?」
「ん?ここだよ」

そう伝えると翔が泣き始めた。

「え、翔?」
「違う…同姓同名だったんだ……」
「同姓同名?」

「俺、小学生の時に“相葉雅紀”に助けてもらったんだ」
「え?俺に?」

そんな覚えは全くない。

「でも、同じ人じゃなかった……」
「……ごめん」

俺は謝るしか出来なかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ