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Transcribe the Imagination

第23章 *Cute that child

「翔、金平糖食べるか?」
「うん……」

俺が“あの時の相葉雅紀”じゃないことに
相当なショックを受けたみたい。

「ごめん」
「雅紀は悪くないから…」

夢と同じ櫻井翔だ。
気弱で、毎日虚勢ばっかり張ってて。

「翔、無理すんなよ」
「え?」
「俺といるのも、仕事も」

麦茶を翔の前に出して、優しく声をかけた。

「無理なんて……」
「俺、翔のことずっと見てたよ」
「え」
「あ、ストーカーみたいなことじゃなくて、あの、そう!ファン的な!」

慌てたから、言い訳みたいになった。

「ふふ、ファンなの?」

微笑った。
ああ、全く同じだ。

これが本当の櫻井翔だ。

「そう、だよ。ファンだよ」
「サインでもしようか?」

ふざけてくれた。
どうしよう。仕草の一つ一つが嬉しい。

「サインより、櫻井翔が欲しい」
「え」
「え?」
「え?」
「え、ええ!?あ、ごめん!」

自分が言ったことに、暫く気づかなかった。

「あはは…いいよ、大丈夫」

また、無理してる…。

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