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Transcribe the Imagination

第3章 *Cream puff

教室に向かうと潤がいた。

足を組んで窓の外を眺めてた。
その横顔はあまりにも綺麗で驚いた。

「会長」
「あ、遅くなって…ごめ――」

ギュッと抱き締められる。

「俺、会長に好かれてると思ってた」
「え?」
「だから、フラれない自信があった」

潤の体が震えてて、驚く。
潤といると驚くことばっかり。

「怖がれるなんて……会長、ごめん。
俺、もう近付かないから、これで最後」

え?最後?

「バイバイ、会長」

潤とあっさり離れてしまう。

嫌だ。嫌だよ、潤。
立ち去ろうとする潤の背中に抱き着く。

「え?会長?」
「ごめん、ごめん潤」

どうしよう。泣けてきた。

「俺、俺っ……」

何も言わないで聞いていてくれる。

「潤のこと…好きなんだよ……」
「え、何それ」

潤の口癖。

「この間はごめん。怖がってごめっ」
「俺、不良だよ」
「違う、不良じゃない」
「……」

「潤だもん」

さっきギュッてされたみたいに、
俺もギュッてしてみた。

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