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Transcribe the Imagination

第25章 *Cameras and lights

「え、ここで飯食うのかよ」
「うん。いいじゃん」

お弁当箱をパコッと開ける。

「お、うまそ」

焼きそばパンを頬張る国分先輩。

「でしょ。俺が作ってんの」
「卵焼き、くれよ」
「はい、どーぞ」

卵焼きを箸で挟んで、
国分先輩の口元へ運ぶ。

ガララッ!

「ニノっ!……え?」

今、一番見たくない人の顔。

「国分先輩、食べないの?」

いつも相葉君に見せてるような
笑顔を国分先輩に向ける。

「え、マジでいいの?」
「だって、食べたいんでしょ?」

あーん、と誘導する。

「じゃ、お言葉に甘――」
「ニノ、どうして?」

相葉君の声がやけに響いた。
それは俺の耳にだけかもしれないけど。

「どうして?って何が?」

こっちのほうが訊きたいよ。
どうして、大野とお昼食べてるの?

「国分先輩とお昼食べてるの?」

どうして、そんな傷付いた顔してるの?
傷付いたのは、俺が先なんだよ。

「そんなの相葉君には関係ないじゃん」

国分先輩の口に卵焼きを捩じ込んだ。

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