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Transcribe the Imagination

第25章 *Cameras and lights

「うぅ……」

姉ちゃんからもらった兎の抱き枕を
ベッドの上でギュッと抱きしめる。

相葉君を自分から引き離して、
既に二週間が経過した。

課題なんて三日で終わってしまった。
だから、寂しくて死んじゃいそう。

でも、あれから大野がずっと相葉君にくっついてることは知ってるし見てる。

一昨日までは、何度も連絡が来てた。
けど、俺がずっと拗ねて、無視ばっかりしてたからもう連絡はなくなった。

……はぁ。

こんな状態に陥るのなら、
あの時、素直に言えばよかった。

「相葉君が足りない……」

引くに引けないし、
どうしたらいいのか全くわからない。

今まで恋愛をしてこなかったから、
恋愛のことなんて皆無だし。

それに比べて、
相葉君は恋愛経験豊富そうだし。

「うぅ……」

ギューッと抱き枕を抱きしめる。

「ちょっと和也」

見上げると、
気の強い姉ちゃんがいた。

「ノックぐらいしろよ」
「なーに、思春期みたいなこと言ってんの」
「思春期だよっ」
「へー。そんな思春期の和也くんにお客さんが来ましたけど」

お客さん?

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