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Transcribe the Imagination

第26章 *Navy blue blazer

「とにかく!もう二度と持ち込むな」
「ぶー…お兄ちゃんのケチっ」

腐女子だからモテないんだよ。
……ていう偏見は置いといて、今は………。

「今から雅紀来るから出て」
「え!?雅紀君来るの!?」

キラキラ目を輝かせる。

「片付けしな――」
「お兄ちゃん!頑張っ!!」

ニコッと微笑いガッツポーズをして、
部屋を勢い良く出ていった。

「『頑張っ』の意味が違うだろ…」

桃菜のことは少し隅に置いておこう。
とりあえず、片付けなければ……。

―――――

ピーン――

「はぁい!」

インターホンが鳴り切る前に、
桃菜が玄関を勢い良く開けた音。

「雅紀君、いらっしゃい!」
「あ、桃菜ちゃん。こんにちは」
「お兄ちゃんは部屋だよ」

て、雅紀早くね!?
まだ、予定より五分早いよ!?

「お兄ちゃーん、雅紀君来たよ」

ガチャっと音を立てて、
桃菜と雅紀の顔が見えた。

「ご、ごめんっ、汚くて……」
「いつも汚いでしょ」
「桃菜は黙ってろ」
「あ、俺は全然……」

桃菜の後ろで雅紀が気を遣ってる。

「はぁっ!そうですよね。そうですよね」

桃菜が何かに納得して、
雅紀の手をギュッと握って振った。

困った顔をして、俺を見る雅紀。

「桃菜、雅紀が困ってる」

間に割って入ると桃菜は
「ごゆっくりー!」と叫んで出ていった。

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