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Transcribe the Imagination

第26章 *Navy blue blazer

「桃菜ちゃん、優しいね」
「違う意味で言ったんだよ」
「違う意味?」

あっ、雅紀は知らないんだ。

「ま、色々あんの」
「そっか」

雅紀が俺の部屋に来ると、
いつも同じ席に座るんだ。

ベッドを背もたれにして、机に向かう。
これが雅紀の定位置。

「雅紀いつもそこだよな」
「んー?落ち着くの」

ニパァッと微笑う雅紀は眩しかった。

「そっか、お茶でいい?」
「うん、ありが――」

ガチャ!

「お茶とお菓子ですっ!」

案の定、桃菜が入ってきた。

「桃菜、お前、盗聴器仕掛けてんな…」
「そんな高額な物買えませーん」

『高額な物』って知ってるってことは、
買おうと試みたことがあるんだな。

「ありがとうね、桃菜ちゃん」
「いえいえ、頑張って下さい♡」
「桃菜、やめろ」
「ありがとう、頑張るね」

頑張らなくていい!

「頑張るってよ、お兄ちゃん……」

キラキラした目で見るな。

「応援してますねっ」
「ありがとう」

お礼なんて言うなぁ!!

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