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Transcribe the Imagination

第27章 ♡Indirect kiss

翔ちゃんと電話が切れてしまってから、
既に三十分が経ってしまっていた。

ニノ、返しちゃったかな……。

その時、携帯が再び振動した。

「もし――」
『雅紀ー、二宮が鬼ー』

泣き声のような声が聞こえて、驚く。

「ニノが鬼?」
『返してくれなかった……』
「本当?」

ニノ、返さなかったんだ。
どうしよう、ちょっと嬉しい。

『嬉しそうにするな』
「え?し、してないよ」

気付かれるほど嬉しそうだったかな…。

『二宮が“嫌だ、死ね”ってしか言わないんだよ』
「あ、はは……」
『笑ってんな!』
「うっ…ご愁傷様です……」

翔ちゃんには悪いけど、
俺は嬉しくなったからそんな上辺の言葉しかかけられない。

『お前ら二人して楽しみにしてんの?』
「え?」

二人して?

俺は楽しみ、ていうかなんて言うか……。

『俺はノリで言ったつもりだっんだけど』
「あ、うん。ニノもノリだよ」

自分で言ってちょっと胸が痛いなんて、
まるでニノのこと好きみたいじゃん。

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