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Transcribe the Imagination

第27章 ♡Indirect kiss

一時間弱、電車に揺られていた。

周りから見たら会話のない二人だけど、
ずっとLINEで話をしていた。

[前のおっさんハゲてる]

パッと顔を上げて前を見ると、
おっさんどころか綺麗なお姉さん。

[どこがおっさんなの!]
[雅紀の前じゃねぇよ、俺の前]

少し怒りながらもニノの前に座る人を見る。
その人は本当におっさんでハゲていた。

「ふっ」

思わず笑ってしまった。

[笑うなよ、バレるだろ]

「ふふっ」

そう言うニノも笑ってた。

[ねぇ、ニノ]
[?]
[昨日、翔ちゃんから電話あった?]
[うん]
[なんて言ってた?]

そう問うとニノの指がさっきよりも早く画面を叩いていた。

[そんな急がなくてもいいよ]

ニノは隣で首を横に振った。
打つのが大変なら喋ればいいのに。

なんて思っていたらニノが、
バッと携帯から目を逸して俺を見た。

「雅紀」
「あ、なに?」
「後で話す」
「うん、わかった」

俺の思いが伝わったみたいで、
ちょっとだけ嬉しくなった。

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