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Transcribe the Imagination

第27章 ♡Indirect kiss

「実は……」

ニノから緊張が伝わって来て、
俺もピリピリ緊張する。

骨組みがしっかりと見えて、
てっぺんに着いたことを知らせた。

「俺、雅紀のこと好きなんだ」
「……え?」

頭がごちゃごちゃになった。
ニノが俺のことを好き?

「え…あの……でも」
「うん。男同士だよ」

サラッと言うから余計に頭がごちゃごちゃになった。

「でも、俺は雅紀が好きなんだ」

隣に座るニノが真剣な顔をしてる。
…本当に俺が好きなの?

「気持ち悪いならそれでいい」
「そ、そんなことっ」
「“そんなこと”?」

俺、今どんな顔してるのかな。
ニノみたいに真剣な顔じゃなくて……。

きっと、困った顔してる。

「ニ、ニノは、ニノだから…」
「雅紀だって、雅紀だよ」

キュッと手を握られて、
さっきよりもドキッと胸が高鳴った。

「今日はありがとう」

俺からの返事がほしいはずなのに、
ニコッて微笑ってくれる。

昔からそうだ。

ニノは誰よりも優しかった。
俺を大切にしていてくれてた。

どうして、気付かなかったんだろう。

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