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Transcribe the Imagination

第28章 Transcribe the Imagination

「っ……」

起き上がると頭が痛んだ。

「はぁ……ん?」

リビングの電気がついてる。

「は……?」

誰だよ、そう思ってるのに
和也であってほしいと期待している。

「……和也?」

期待を込めて声をかける。

「チッ」

返事が無くて苛つきながらも、
リビングへと足を進めた。

「あ、翔…ごめんね。」

元カノだった。

「んだよ…お前かよ………」
「ごめんね、鍵、返してなくて……」

差し出された鍵を奪う。

「あ、翔、具合悪そう…」
「帰れ」
「あっ……うん。またね」
「またね、なんてねぇよ」
「……さよなら」

寂しそうに微笑う姿が和也と被った。

「おい、待て」

元カノを引き留める。

「お前、まだ俺が好きか?」
「……私は好き」

コイツは俺が振ったんだ。
だから、好きなのは………。

『翔と一緒がいい』

「やりなお――」
「ありがと、さよなら」

和也と同じように玄関先に突っ立つ元カノを
外へと押し出した。

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