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Transcribe the Imagination

第5章 *Summer festival

花火が始まるまでたっぷり時間がある。
早いうちに席取りして正解だった。

「潤、仕事はどう?」
「ん?まあまあ」

潤と二人きりで焼きそばを買いに来ていた。
横顔が大人っぽくて見惚れた。

「雅紀は?」
「へ?俺も…まあまあ、かな」
「そっか」

そこで会話が途絶えてしまった。
お互いに気まずくなっていく。

「そういや、矢口と会うのも久々だった」
「俺も久々に会ったよ」
「え?そうなの?」

焼きそばを潤が受け取ってくれた。

「うん。矢口は、香川で働いてるから」
「あれ?東京じゃなかった?」
「香川の本社行きだって」
「へえ、矢口バカだったのに」
「ちょっ、本当のこと言うなよっ」

二人で笑い合う。

「雅紀はどんな仕事してるの?」
「んー、カメラマン?」
「すっげえ」

カメラマンって言っても、
まだまだ新人で生放送なんて出来ない。

「タレントとか見れるわけ?」
「まあ…」
「へえー!じゃモテて大変だな!」

何言ってるの?
モテて大変なのは潤でしょ?

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