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Transcribe the Imagination

第7章 *Childhood friend and rain

「でねー、お金も無くなっちゃってー。
コインランドリーで寝ようと思ったら」
「俺がいたのか……」

俺じゃなかったら……。

「でも翔ちゃん格好良くなった」
「ああ?俺は昔から格好いいんじゃ、ボケ」
「変わってないねえ♡」

また抱きしめられる。
どんだけ抱きしめれば気が済むんだ。

「で、実家に帰ってきたのか」

スルッと腕から抜けて雅紀の脱いだ服を洗濯機に………て、壊れてるんだった。

「そ、お金ないから」
「じゃ帰れよ。傘やるから」

このまま居座れたら何されるか……。

「嫌だよー。せっかく翔ちゃんと会えたのに」
「お前、彼氏いねえのかよ」
「いる」
「じゃ、余計に俺んとこいたらマズいだろ」

俺だけだと思う。
こんなに雅紀を理解してるのは。

同性愛者ってだけで冷たい目で見られる。
そんな世界クソ喰らえ。

愛す奴が同性なだけだろ。
やってることは男女と変わんねえんだ。

「だってDV男だったんだもん!」
「はあ?DV?」
「セクハラされるわ、毎日殴られるわ……」

上半身裸で泣き始めた雅紀。

「地獄だったんだもん!!」

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