Transcribe the Imagination
第9章 *Plus natural
同じ制服を着た同級生、部活の後輩。
全員の目が乾いていた。
誰も泣くこともなく、ただ俯いてた。
「先輩」
声をかけてきたのは部活の皆。
周りを見渡すと俺達だけだった。
「二宮先輩が、焼かれま―――」
「生々しいこと言うな!!」
殴りかかっていた。
「もう行く」
その場を出るとバスに親族が乗ってた。
和也のお母さんは泣いてた。
泣きたいのはこっちだよ。
和也は恋人だった。
「先輩、行きましょう」
大野くんに半ば引きづられながら、
バスに乗りこんだ。
行き先は分かっていた。火葬場だ。
―――――
これが最後の和也の顔。肉体。
皆が再び花を添えていく。
和也のお母さんが、あのボールを入れた。
「お母さん……」
「雅紀くん、ありがとうね。和也と仲よ―」
「このボール、俺に下さい」
「え?」
「お願いします。下さい」
涙が止まらなかった。
和也の頬に何粒もの涙を落とした。
「…持っててあげて」
ボールを受け取り、なるべく笑顔を見せた。
全員の目が乾いていた。
誰も泣くこともなく、ただ俯いてた。
「先輩」
声をかけてきたのは部活の皆。
周りを見渡すと俺達だけだった。
「二宮先輩が、焼かれま―――」
「生々しいこと言うな!!」
殴りかかっていた。
「もう行く」
その場を出るとバスに親族が乗ってた。
和也のお母さんは泣いてた。
泣きたいのはこっちだよ。
和也は恋人だった。
「先輩、行きましょう」
大野くんに半ば引きづられながら、
バスに乗りこんだ。
行き先は分かっていた。火葬場だ。
―――――
これが最後の和也の顔。肉体。
皆が再び花を添えていく。
和也のお母さんが、あのボールを入れた。
「お母さん……」
「雅紀くん、ありがとうね。和也と仲よ―」
「このボール、俺に下さい」
「え?」
「お願いします。下さい」
涙が止まらなかった。
和也の頬に何粒もの涙を落とした。
「…持っててあげて」
ボールを受け取り、なるべく笑顔を見せた。