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Transcribe the Imagination

第1章 *Faint love

「え、あ、智さん?」
「潤と一緒がいい」
「いや……離して、智さん」

俺、変な気を起こしちゃいそうで……。

「潤、好きだよ」
「え。」

また鉄パイプで頭を殴られた。

「好き好き好き好き好き好き好き」
「さ、智さん!」

バッと離れて、
様子のおかしい智さんの肩を掴む。

「潤……」
「智さん…ここ、赤い……」

頬に赤い痕。

「どうしたの?」
「うっ、うぇぇ」

ポロポロ涙を落としていく智さん。

「智さん」
「しょ、ちゃんが、ね」
「翔先輩が?」
「潤、好きだよ、なっちゃったの」

本格的に泣き始めた智さんが、
愛おしくて抱き締めた。

「智さん好き」
「行かないで、和のとこに行かないで」
「行かない、行かないから。泣かないで」

もういいや。
何も考えなくていいや。

「智さん、抱いていい?」
「うん、うん。抱いて、潤のモノにして」

嗚咽を漏らす智さんの唇を塞いだ。
パッと離すと、見つめ合う。

「翔先輩はどんな風に抱くの?」
「荒々しく」
「じゃ、飛びっきり優しくするね」

ベッドに寝かせるように、押し倒した。

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