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Transcribe the Imagination

第10章 *Flower of foam

「誘ってる?」
「だとしたら?」

上目遣いで見られてドクっと胸が音を立てる。

「んんー、俺明日仕事だし……」

自分で言うのも何だが、
俺はエリートサラリーマンだ。

雑務も、仕事も卒なくこなす。
残業も絶対にしないようにしてる。

何て出来たサラリーマンなんだろうか。

「実はね、翔ちゃん」
「ん?」
「今日のお昼、お掃除してたの」

和也は仕事をしてない。
だから、家のことは全て任せている。

「ニュース番組見てたら、速報が入ってね」
「え?速報?」
「うん、それでね……」

俺から離れて、スーツのシワを伸ばしてくれた。

「東京のとある地区でね」

モジモジと正座をした腿を擦る。

「同性」
「マジで!?本当に!?」

呑気に寝転んでる暇なんてなくて、
飛び起きて和也の肩を掴む。

「まだ言ってないでしょ?」

嬉しそうに微笑む和也を見つめ、
話の続きを待つ。

「東京のとある地区でね、同性愛者の結婚が…」
「認められたの?」

感情をあんまり出さないように、
和也に問いかける。

コクッ、と和也が頷いたから、
ギューっと思いっきり抱き締めた。

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