1人じゃなくて。
第4章 No.4
「……!?…!!?」
要が下敷きになっている。その上には朝からハイテンションな人が乗っていた。
「おい……恭也…奈瑠がビビってんだろぉが。さっさと降りろ!!」
「おっと危ない。」
要が手を着き勢いよく飛び起きると、男は軽々と跳んで避けた。
「いいじゃんかよ。朝いきなり起こされたと思ったら、女が怪我してる。救急箱よこせ(キリッ)って………見に行きたくもなるし。」
要そっくりに声色を変えた男は、奈瑠に近づいた。
「いや―ホント可愛い。お人形さんみたいだね。肌きめ細かいし、小柄だし、目おっきいし……」
「…………………。」
男は、奈瑠の頬をぷにぷに押していた。そして、突然の出来事に奈瑠は見事硬直していた。
「あはは、見てみて―要。全然動かない!」
ぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷにぷに。
その後、要が男に飛び蹴りをお見舞いするまで男は離してはくれなかった。