1人じゃなくて。
第4章 No.4
「すまん、いきなり家見てほしいだなんて…迷惑だよな。」
「いえっ!全然…私……家具とか好きだから…。私が居た部屋も、素敵な物ばっかりで…」
そう言って頬を赤らめ、下をむく奈瑠。しかし…
「良かった」
そう言って要が笑うことによって、より下をむく。要の笑顔はとても直視出来なかった。
最初は少し怖かったが、話すうちに沢山表情が変わるのを見て、奈瑠は嬉しくなった。
「……でも…」
奈瑠は口ごもりながら、要を見た。
「…やっぱりこれは、恥ずかしい…です……」
そのすぐ上には、少し跳ねているさらさらの黒髪と、色っぽい唇と、奈瑠を見つめる綺麗な碧色の瞳があった。