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彩夏 ~君がいたから、あの夏は輝いていた~

第2章 友達でいたかった

「あたりまえだろ、何年バッテリーやってんだって話だよ。テレビに映ったら、父ちゃん絶対塔也のこと見つけてくれるって。でさ、できるだけ長くテレビに出なきゃな。てことは、勝ち上がらなきゃならない」

僕は、ずっと目の前にいる親友のために甲子園を目指して今日まで来た。
でもその親友は、僕のために甲子園に行こうとしている。両親の離婚から会うことを許されない父親に、元気でいることを知らせたいという僕のささやかな願いを、かなえてくれようとしている。

なんだ、このドラマみたいな展開。

「おれ、広明が女だったら、惚れてるわ」
「気持ち悪いこと言うなよ」

僕は帽子を目深にかぶって、いつまでも足で砂をならしていた。
すぐには、投げることができなかった。

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