Doki Doki⛔️one way love〜一方通行の恋
第7章 7
「遠慮なさらずにっ、ささっ、どうぞ、どうぞ、今日もお勤めご苦労様でしたっ」
「お、おう」
いつもと違って下手に出る雛に満更でもない駿であった
「今日は特にリクエストが無かったので麻婆豆腐にしてみました」
「ふーん… お前、そんなもの作れたんだ」
作るといっても市販の麻婆豆腐の元に豆腐を投入しただけである
がちょっと褒められるとすぐにお調子に乗る雛
ふふん、と鼻の穴を広げて、麻婆豆腐が駿の口元に運ばれるのを見届けるまで目を離さずにじっと見つめている
「ぶははっ、お前、変な顔」
熱々の麻婆豆腐が雛の顔に直撃したのは言うまでも無かった
「全くもうっ」
顔を赤くして怒りながらシャワーを浴びる雛
「おーい、大丈夫かぁ」
声をかけながらもまだ笑っている駿
「大丈夫ですっ、それより係長! 心配するか笑うかどちらかにしてもらえませんかねっ」
「ぶはっ、だってさっきのお前の顔…」
「もう、いいですってばっ」
あまりに頭にき過ぎてバスタオルを巻いたままの格好で洗面所から出てきて怒る雛
笑いながら振り向いた駿の目が一瞬真顔になったことに全く気付かない雛だった