Doki Doki⛔️one way love〜一方通行の恋
第8章 8
全員を見送って会計を済ませると結構な時間になっていた
「大将、ありがとね」
「おう、忘年会もよろしくな」
両目を瞑ってウインクする大将に礼を言って店を出る
「はぁー、くたくただょ」
「おい、お疲れ」
「えっ? 係長っ、どしたんですか? あ、もしかして忘れ物? 無かったと思いますけど… も一度見て来ますねっ」
「バーカ、ちげえよ、お前待ってたの! 帰るぞ」
「女性達からお持ち帰りされなかったんですかぁ」
「んなもんされるわけねぇだろ、くだらないこと言ってないでほらっ、行くぞっ」
駿の後ろをトコトコとついて行く雛
「お前さぁ、好きな奴とかいねぇの?」
「す、好きな人、ですか?」
「付き合ってる奴はいないだろ、俺とルームシェアしてるくらいだから」
「そ、ですね…」
「タイプの奴とかいねぇの? 社内に」
「私、昇進試験受けたいので… 今は、その、それどころでは…」
「色気も何もねぇつまらない答えだな」
「だって、切実ですょ、いつまでもルームシェアしてるわけにいかないし… 」
「そうだな…」
「それに、早くお金貯めてマンション買いたいし… 」
「ふーん…」
「か、係長はっ、そう言う係長はどうなんですかっ」
「え? 俺? 俺はどうかな… って、お荷物が転がり込んでるんだぜ、誰かさんが」
「…ご迷惑お掛けしてますです」