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透明な糸

第1章 れっつ☆ごー





そうしているうちに、虚しくチャイムが鳴ってしまい、ロングホームルームは終わり、昼休みとなった。


小野ちゃんをチラッと見ると、教卓の上でギュッと拳を握りしめ、泣きそうな顔になっていた。


(どうしてだろう。なんで、真面目な人が損しなきゃならないんだろう。
どうして、ゆるゆると自由奔放にしてる奴等が上手く生きているんだろう…。)

私も、そんな小野ちゃんを見て歯がゆくなった。

きっかけは、小さいとしても、疑問は大きくなってゆく。


私は弁当を持って、机にふせっている小野ちゃんのもとへと向かった。

「小野ちゃん」

小野ちゃんの席まで行って、声をかけると、ゆっくりと、起き上がった。


「お弁当、食べよう。
今日は、秘密の場所にいこうよ」

肩をぽん、と優しく叩いて、そう言うと、あ…と私の弁当をみて、思い出したように、呟いた。





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