
清純派リミット。
第2章 賞味期限
「…よくわかんないけど、つまりそーんなに俺としたいんだ?(笑)」
「えっ…」
「そこまで言うならお嬢様の悪巧みに乗っかってやるよ」
そう言ってにやりと微笑んだ。
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瀬野くんに着いて行って辿り着いたのは瀬野くん住むアパート。
「瀬野くんって一人暮らしなの?」
「まあな」
ガチャリ
男の子の部屋に一人で入るなんて、お祖母様が知ったらめちゃくちゃ怒るだろうな。
少しの罪悪感と共になんだかおかしくなってしまい、思わず笑みが零れそうになる。
「なににやにやしてんの?」
瀬野くんにすかさずツッコまれて咄嗟に口を手で塞いだ。
「あ、一つ言っとくけど、俺ギャルが好きだから」
「へ?」
「お前みたいな黒髪ロングの清純派はタイプじゃないっつってんの。」
「あ、うん…」
「だーかーら、家に来たぐらいで本気にすんなよ?
俺は遊びの関係が好きなの。
誰か一人を決めて特別扱いとかしないから。いい?」
「は、はい」
「よしっ」
"いい子だ"と言うようにぽん、と頭に手を置かれ、瀬野くんは初めてわたしに無邪気な笑顔を見せた。
