
清純派リミット。
第3章 初体験
勝手すぎるよね…
自分の不甲斐なさや申し訳無さが込み上げてきたと思ったら、涙がどんどん溢れてきた。
「はぁ、なに泣いてんだよ…」
「…ごめ‥っ‥‥
あ、あたし、もう帰るねっ!」
「は?」
いたたまれなくなってそそくさと下着を付け、雑に服を着てその場を立った。
「なんかごめんね。お願い聞いてくれてありがとう。」
「おい、ちょっ…」
ガチャ
「お邪魔しましたっ!」
はぁ…
勝手に帰ってきちゃった。
瀬野くんの顔見れなかった…
きっと怒った……よね。
絶対嫌われた…
ほんとなにやってんだろ…
「ただいま…」
「あっお嬢様おかえりなさい!珍しく遅かったですね~」
「うん…お祖母様は?」
「奥様は野暮用で外出されてますよ」
「そう」
お手伝いの人たちの出迎えにも上の空で応じ、すぐに自分の部屋にこもった。
「はぁ…」
溜息しかでない。
なんであんなバカなことしたんだ
ろ…
やっぱり誰でもいいから処女を捨ててしまいたいなんて軽率すぎたんだ。
いや、誰でもよかったわけじゃないんだけど…
瀬野くんはちゃんと優しくしてくれた。
なのに…
あ~~もうほんとにバカ…
バカバカバカ…!!
もう消えちゃいたい…
こんな中途半端な形”はじめて”が終了しちゃうなんて…
わたしは現実逃避するかのようにそのままベッドで眠りについた。
