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第24章 Caramel pudding by つぎこ
「…先程お帰りになられた、お客様からです。」
いつの間に姿をくらましたのか、雅紀の代わりに運ばれてきたのは、この店には不似合いな、チープなコンビニプリン。
メッセージカードには『初恋の味♡』の文字。
またしても、雅紀からの意味不明なメッセージ。
「雅紀のバカ…。」
だけど、カードを見たニノの顔は真っ赤で…。
…そっか。初恋、ね。
「…Jr.の時さぁ、お前ら確か、付き合ってたよね?」
そんな噂だったよな。俺には、かなり衝撃的な…。
「はぁ?」
「…今さら隠さなくてもいいって。」
「…付き合ってねーし。」
俺を睨み上げ、心外だとばかりに唇を尖らせるニノ。
「…雅紀じゃないもん。俺が好きだったのは…。好きだったのは…プリンだもん。」
そして早口で捲し立てた。
は?プリン…?
ヤツは徐にプラスチックのスプーンで、プリンを掬うと、俺の前に差し出した。
「…翔サン、あーん。」
あれ?
これって…。
「ほら、口、開けて?あーん。」
言われるままに口を開けると、すかさず甘いプリンが投入された。
あの時と同じ…。
ほろ苦いキャラメル。
『…翔サンが、好き。あの時から、ずっと好き。』
囁きとともに、柔らかい唇がそれを追ってきた。
ほろ苦いキャラメルは、初恋の味。
じっくりと味わうように、絡めとる…。
『 覚えてる?
今日が初めて出会った日、だってコト…。』
END