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第4章 沖つ風 by のさまじょ
撮影で来た崖っぷちに俺たちは立っていた。
「ここ、なんてとこか知ってる?」
「東尋坊だろ?知ってるよ」
「へえ、大野さんでも知ってるんだ」
「お前…さっきマネージャーが言ってたし…」
「ここ、自殺の名所なんだよ」
「なんだよ、気味悪いこと言うなよ…」
崖の下から、強い海風が吹いてくる。
思わず顔を隠すほどの風。
ニノがよろけた。
「あっ…」
とっさに手を差し出して、支えた。
「あっぶなー…」
「ごめん…大野さん…」
支えたはずのニノが俺の腕の中に倒れこんできた。
「あっ…」
思わず抱きしめた手に力が入る。
「だ、いじょうぶ?」
「うん…平気」
ニノを立たせると、二人ともギクシャクした雰囲気になった。
俺は足で、目の前にある柵の鎖を蹴った。
シャランシャランと音がする。
「こんなモンあったって、何の役にも立たねぇな」
「…そうだね」
遠くにいるカメラマンからの指示がまだ来ないから動けない。
俺達はまだそこにじっと立っている。
「夏なのに、寒いな…」
「ずっと風が吹いてるもんね…」
なにか喋ってないと、居心地が悪い。
「ここ、なんてとこか知ってる?」
「東尋坊だろ?知ってるよ」
「へえ、大野さんでも知ってるんだ」
「お前…さっきマネージャーが言ってたし…」
「ここ、自殺の名所なんだよ」
「なんだよ、気味悪いこと言うなよ…」
崖の下から、強い海風が吹いてくる。
思わず顔を隠すほどの風。
ニノがよろけた。
「あっ…」
とっさに手を差し出して、支えた。
「あっぶなー…」
「ごめん…大野さん…」
支えたはずのニノが俺の腕の中に倒れこんできた。
「あっ…」
思わず抱きしめた手に力が入る。
「だ、いじょうぶ?」
「うん…平気」
ニノを立たせると、二人ともギクシャクした雰囲気になった。
俺は足で、目の前にある柵の鎖を蹴った。
シャランシャランと音がする。
「こんなモンあったって、何の役にも立たねぇな」
「…そうだね」
遠くにいるカメラマンからの指示がまだ来ないから動けない。
俺達はまだそこにじっと立っている。
「夏なのに、寒いな…」
「ずっと風が吹いてるもんね…」
なにか喋ってないと、居心地が悪い。