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第29章 まほろばの家 byアロエリーナ・のさまじょ・millie

ねぇ、翔…どうしたらいいかな?
貴方を残して居なくなる俺は、貴方に何を残せる?

居なくなったら忘れてほしい。
そして…誰よりも幸せになってほしい…。

…嘘だ…。
忘れてなんて欲しくない。
ずっとずっと覚えてて欲しい。

ずっとわかってた、翔の気持ち。
俺もそうだから。
でも言ってしまったら…戻れなくなる。
だからずっと気付かないふりをしてた。

でも踏み出してしまった。
もう、止められない。
例えそれで貴方といる時間が短くなったとしても…。

「翔…抱いて?俺に思い出をちょうだい。
 翔に…大好きな人に愛されたという
 証を…ください」

次の瞬間、俺は翔の腕のなかにいた。
抱きしめる腕の力が狂おしい程に翔の気持ちを教えてくれる。

「和也…愛してる…お前だけだ…。
 これまでもこれからも…。
 お前だけがいればいい…」

翔のくれるキスは甘く熱い。

吹きすさぶ外の風のように、翔の激情に翻弄される。

翔…、愛する人とひとつになれるって幸せなんだね。

こんなに幸せな気持ち…はじめてだよ…。

愛してる…。
愛してるよ…翔。

いつまでも…貴方…だけを…。

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