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Welcome to our party

第5章 Sweet Medicine by millie

明け方、隣で眠る和を抱き寄せた。

抱き締めた身体が
いつもより熱い気がした。

あまりの暑さに普段は使わずにいる
クーラーが稼働している寝室。

風邪でも引かせたか?

すっかり目が覚めた俺は
二人分のスケジュールを思い出す。

和は今は一段落の時期。

今日明日は休みだから問題ない。

問題は俺だ。

…夕方から取材がある。

相手がいるからリスケは難しい。

そもそも和の看病で仕事に
穴開けたなんて分かったら…。

怒り狂う和の姿が目に浮かぶ。

この選択肢は無いな…。



とりあえず熱、測んなきゃ。

熱い和の体から離れる。

ひやっとした空気が触れた。

肌掛けを和の体に纏わせてから
体温計を取りに行く。


「和、ごめんな」


小さく言ってから体温計を差し込む。


「ん?さとし?」


和のぼんやりとした声。


「大丈夫だから。
 そのまま寝てていいぞ」


髪の毛を撫でながら言う。


「ん?さとしぃ…ぼくね… 
 ねつ…ないよ?」

体温計に気が付いたのか片言で話す。

いやいや、その口調、
間違いなく熱あるだろ?


「念のためね?

 和のこと抱っこしたらさ、
 熱かったから…ね?」


大人しくさせて
体温計が鳴るのを待つ。

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