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第39章 あまふゆ。 by きぃな

【二宮side】

夏が終わったかと思うと、足早に過ぎて行った秋

肌を掠める風もすっかり冷たくなって…

「寒っ…」

仕事の帰り道、俺はぶるっと身体を竦(すく)める

左手に握りしめた紙袋にチラリと目線を落として、ふふっと微笑(わら)う

雅紀……喜んでくれるかな


ひゅうっと通り抜ける一陣の風
俺は身体を震わせ、空を見上げる

ひらひらと舞い落ちてきた白いもの

「寒いと思った……今日は なに鍋かな♪」

雅紀と暮らして半年
食にあまり興味のなかった俺に、甲斐甲斐(かいがい)しく料理を作ってくれる雅紀

今では雅紀と食べる食事が楽しみで

今日みたいに寒いときは、鍋と相場が決まってる

「雅紀、雪に気がついたかな…」

早く雅紀と温まりたくて、家路を急いだ

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