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第42章 薄墨の夜 byのさまじょ

「おーちゃん」


呼ばれて振り向くと、相葉ちゃんが居た。


「ちょっと、時間ある?」


収録終わりに、帰ろうとしてるところを呼び止められた。


「うん。どうしたの?」


そう聞いても、相葉ちゃんはうっすらと笑うだけで答えてくれない。


「俺、今日車だから。乗ってく?」


頷くと、先に立って歩き出した。


いつもより背中が遠く感じた。


車に乗り込むと、相葉ちゃんが何かを取り出した。


白い布。


いきなりそれが俺の口に当てられた。


「ふっ!?」


抵抗したけど、すぐに身体に力が入らなくなって。


まぶたが落ちていくのを感じた。





なに…?


なにが起こったんだ


真っ暗闇。


だんだん身体の感覚が戻ってくる。


頭が割れるように痛い。


目を開けると、やっぱり真っ暗闇で。


「相葉ちゃん…?」


呼びかけても、誰も返事をしてくれない。


一人で暗闇に蹲ってた。


「ここ…どこ…?」


身体の下は、柔らかい感触で。


ベッドの上みたいだった。


遠くで物音がしたと思ったら、ドアが開いた。


灯りが差し込んできて眩しい。

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