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第46章 紅華 by アロエリーナ

「‥こんなに愛してるのに!
どうして僕の色に染まってくれないの!?」

智は激昂し、辺りの物を蹴散らした。


「もう人の心を動かす絵なんて描けない。
期待しないで‥天才なんかじゃない‥」

頭を抱え、崩折れる。


‥智の絵は、自由で、躍動感があって
動き出しそうに生き生きしてるんだ。

夢中になって描いてる真剣な瞳や
嬉々とした表情も、大好きで。


「雅紀‥夢を売る仕事って
こんなにも苦しいんだね」

そんなこと言わないで


「ねぇ智‥プロだって、個展だって
美大生みたいに好きに描けばいいんだよ」

智は智のままでいて


「オレ、美大やめて智のアシスタントになる。
一緒に描こう?」

いつでも傍で、愛してる

だから‥

「オレにも智に花を描かせて」

信じて。



あれからシャワーを浴びて、ベッドの上。

「雅紀って天使みたい。一目惚れなんだ」

照れる智に、キスをした。

愛してくれて、ありがとう。

この気持ちを忘れないように‥

誕生日に一年分くれなくてもいい。

身体と心に、紅い華を毎日描こう。

END

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