Welcome to our party
第2章 届け、紙ヒコーキ。 by アロエリーナ
大野side
学校帰り、いつもの寄り道。
馴染みのCDショップ。
――今日は居るかな‥。会えるかな‥。
ドクドクと鼓動がうるさい胸と、
熱く火照ったニヤケ顔を、両手で抑える。
――僕は今、話したこともない、
名前も知らない彼に、恋してる。
「いらっしゃいませー」
開かれた自動ドアの奥に、一歩踏み出すと
クーラーのひんやりした空気と
おじさん店員の気だるい声に迎えられた。
僕がいつも店内に入ると、
真っ先に向かうコーナーがある。
それはあまりメジャーではない、
シンガーソングライターのCDコーナー。
そこによく、彼は居るから。
――あ、居た。
彼が目に入った途端、
ドクンと心臓が跳ね上がった。
彼はいつも通り、備え付けのヘッドフォンで
試聴を楽しんでいる。
やや下を向いて、目を瞑り、
音楽の世界に入り込んでいる様子だ。
――濡れたように艷やかな、
少しクセのある黒髪。
長い睫毛、薄い唇、高く整った鼻梁。
女の子のように‥いやそれ以上に綺麗な
白い、陶器のような肌。
彼の全てが芸術品のように美しく、
目が離せない。
学校帰り、いつもの寄り道。
馴染みのCDショップ。
――今日は居るかな‥。会えるかな‥。
ドクドクと鼓動がうるさい胸と、
熱く火照ったニヤケ顔を、両手で抑える。
――僕は今、話したこともない、
名前も知らない彼に、恋してる。
「いらっしゃいませー」
開かれた自動ドアの奥に、一歩踏み出すと
クーラーのひんやりした空気と
おじさん店員の気だるい声に迎えられた。
僕がいつも店内に入ると、
真っ先に向かうコーナーがある。
それはあまりメジャーではない、
シンガーソングライターのCDコーナー。
そこによく、彼は居るから。
――あ、居た。
彼が目に入った途端、
ドクンと心臓が跳ね上がった。
彼はいつも通り、備え付けのヘッドフォンで
試聴を楽しんでいる。
やや下を向いて、目を瞑り、
音楽の世界に入り込んでいる様子だ。
――濡れたように艷やかな、
少しクセのある黒髪。
長い睫毛、薄い唇、高く整った鼻梁。
女の子のように‥いやそれ以上に綺麗な
白い、陶器のような肌。
彼の全てが芸術品のように美しく、
目が離せない。