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第55章 禁断の果実 by みきちん
「いらっしゃいませ、松本様。
どうぞこちらへ……」
案内されたのはVIPルーム。
いかにも高級そうな
ソファーに腰かける。
「前回の指輪は
いかがでしたでしょうか?」
「すごく気に入ってましたよ」
「ありがとうございます」
深々と頭を下げた。
「残りの分、用意できました?」
「はい、こちらでございます」
差し出されたのは3つの指輪。
「それぞれ、宝石の色と同じリボンで
包装してください」
「かしこまりました」
従業員は奥の部屋へ入って行った。
俺は財布から小さく折られた
おみくじを取り出した。
そこに書かれていた文字は
【蒔いた種が芽を出し実るでしょう】
赤い実は摘み取った。
「おまたせしました」
店員の言葉と同時にスマホに着信が入る。
「もしもし、ニノ?どうしたの?」
俺は黄色いリボンの箱を手に取った。
蒔いた種が、また芽を出した……
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