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第55章 禁断の果実 by みきちん

それから俺たちはチャーターした船に乗り、
パラオの海を満喫した。

ミルキーウェイで全身泥パックして、
ジェリーフィッシュレイクで
無数のクラゲと泳いだ。

楽しい時間はあっという間に過ぎていった。

ホテルに戻り、少し休憩したあと
俺たちは夕食に向かった。

ウェイターに案内され着いた場所は、
海の上にある桟橋。

その先にはガゼボがあり、
テーブルと椅子がある。

一歩踏み出せば、二人だけの空間。

沈み行く夕日、
夜空に広がる星を見ながら、
ディナーを楽しんだ。

そして、俺はポケットから
赤いリボンがついた
小さな箱を差し出した。

「えっ?」

「開けてみて?」

リボンを解いて中身を確認する翔。

「これ……」

リングケースを持つ手が震える。

俺は翔のとなりに移動し、
片膝をついて座る。

「俺とずっと一緒にいてください」

「潤……」

翔の目から涙か溢れた。

「返事は?」

「よろしくお願いします」

今まで見た中で一番の笑顔だった。

翔の手を取り、リングケースから
赤く輝くルビーが嵌め込まれた指輪を
左手の薬指に填めた。

そして、翔と誓いのキスをした。

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