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第56章 Several nights by のさまじょ

肌が焦げるかと思うほど、鋭い日差し。


現地の人によると、この季節にはちょっと珍しいくらい暑いらしい。


ビーチサンダルを履いた、足の甲が焼けて痛い。


本当だったら俺の隣には、足が焼けて痛いねって言い合う人が居るはずだった。




「ごめんね…重いの…」


重い?好きでいることが?


「なにからなにまで、貴方のことだけ考えてろっていうのは、ただのエゴだよ…」


なんで?俺のこと好きなんだろ?


「貴方、私の事好きじゃないんだわ…私を好きな自分が好きなんだわ…」


そんなことない。






こんなに好きなのに…







南国の島。


お正月に外国に旅行しようって言ったのは、彼女だったのに…


何で俺、一人で来てるんだろ。


何で俺…


とぼとぼとビーチ沿いの道を歩いていると、夕日が海に落ちていくところだった。


思わず立ち止まって、大きな太陽を見た。


徐々に海面に沈んでいく太陽は、とても綺麗だった。


でも…


なんだか悲しくもあった。


道端の椰子の木に凭れ掛かる。


ふと、回りを見渡すと俺と同じように夕日を見ている人が居た。

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