Welcome to our party
第56章 Several nights by のさまじょ
それから毎夜、俺達は身体を重ねた。
会えるのが待ち遠しかった。
昼間、ホテルのベッドで前の晩を思い出しては震えた。
彼のお店が閉まる頃、小径を駆けていって、彼の身体を抱きしめる。
「早く…抱いて…」
甘い声を出しながら、俺の腕で彼も震えた。
彼の家に入ると、すぐに二人共、生まれたままの姿になる。
シャワーも浴びないで、狂おしいほど求め合った。
我を忘れるほどのセックスなんて、初めてだった。
相手が男だからか…それとも彼だからか…
そんなことどうでも良かった。
ひたすらお互いの与え合う快楽に溺れた。
「ねえ…」
情事の最中。
俺の身体の下で、彼が見上げる。
「いつ…」
彼はそのまま黙った。何を言いたいかは、分かった。
答えられず、躰を抱きしめた。
「あ…もっと強く…」
愛してる、と。
言えたら…
不意に息苦しくなった。
目を開けると、彼が俺の首に手を掛けていた。
「ぐっ…」
苦しくて、彼の手を掴むけど動かない。
「嫌…行かないで…」
呟くと、一層力が入った。
「こんなに好きなのに…」
目を見開いた。
彼を見ると、俺の顔をしていた。
今の俺は、地下に眠る彼女と同じ顔。
彼が…微笑むのが見えた。
<END>
会えるのが待ち遠しかった。
昼間、ホテルのベッドで前の晩を思い出しては震えた。
彼のお店が閉まる頃、小径を駆けていって、彼の身体を抱きしめる。
「早く…抱いて…」
甘い声を出しながら、俺の腕で彼も震えた。
彼の家に入ると、すぐに二人共、生まれたままの姿になる。
シャワーも浴びないで、狂おしいほど求め合った。
我を忘れるほどのセックスなんて、初めてだった。
相手が男だからか…それとも彼だからか…
そんなことどうでも良かった。
ひたすらお互いの与え合う快楽に溺れた。
「ねえ…」
情事の最中。
俺の身体の下で、彼が見上げる。
「いつ…」
彼はそのまま黙った。何を言いたいかは、分かった。
答えられず、躰を抱きしめた。
「あ…もっと強く…」
愛してる、と。
言えたら…
不意に息苦しくなった。
目を開けると、彼が俺の首に手を掛けていた。
「ぐっ…」
苦しくて、彼の手を掴むけど動かない。
「嫌…行かないで…」
呟くと、一層力が入った。
「こんなに好きなのに…」
目を見開いた。
彼を見ると、俺の顔をしていた。
今の俺は、地下に眠る彼女と同じ顔。
彼が…微笑むのが見えた。
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