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第58章 楽園 by つぎこ
あーあ。
行っちゃった…。
俺を置いて…。
あーあ…。
ソファーに身体を深く沈めると、天井を仰いだ。
いや、違う。
そうじゃない。
浸ってる場合なんかじゃない。
うっかり、雰囲気に呑まれてしまうとこだった…。
感傷的になってる場合じゃないんだ。
俺も急がないと…。
クローゼットの奥に隠しておいた、キャリーケースを引っ張り出した。
もちろん中身は準備万端。いつだって、飛び出して行けちゃうんだからね。
せっかくの休暇だもん。俺だって満喫しなきゃ、もったいない。
リサーチしながら、練りに練った綿密な計画。
我ながら完ぺきだと、自画自賛してしまう。
そして向かうは、南の島、ボラボラ島。
地上で最も美しい島…。
そこは偶然にも、翔くんの滞在先だったりする。
偶然にも、ね…。