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第8章 夢か現か by奏
原因は、些細なことだった。
…って言うか、
“些細なことだった”ってことしか、
思い出せない。
思い出したくないだけかも
しれないけど…。
大野さんが出て行った
ドアを見つめたまま、
追いかけることもせずに、
どのくらいこうしていたんだろう。
…かと言って、
諦めることなんて、
到底出来るはずもなくて。
「…さん、大野さん…」
さっきから、
名前を呼び続けていたことに、
気付いた。
そして、
答えてくれる声が
ここには無いことにも。
「大野、さん…っ?」
涙が一粒、
頬を流れ落ちた途端、
一気に涙が溢れて、
「やだ…っ!」
立ち上がると、玄関へ走った。
ドアを開けて、
見回してみても、
静まり返った廊下に人影は無い。
部屋に駆け込んで、
今度は、
ベランダから探してみるけど、
…いない…。
大野さん、どこへ行ったの?
帰る場所は、
ここだよ。
俺の傍でしょ?
俺のこと「離さない」って、
「ずっと傍にいる」って、
言ってくれたじゃない。
…って言うか、
“些細なことだった”ってことしか、
思い出せない。
思い出したくないだけかも
しれないけど…。
大野さんが出て行った
ドアを見つめたまま、
追いかけることもせずに、
どのくらいこうしていたんだろう。
…かと言って、
諦めることなんて、
到底出来るはずもなくて。
「…さん、大野さん…」
さっきから、
名前を呼び続けていたことに、
気付いた。
そして、
答えてくれる声が
ここには無いことにも。
「大野、さん…っ?」
涙が一粒、
頬を流れ落ちた途端、
一気に涙が溢れて、
「やだ…っ!」
立ち上がると、玄関へ走った。
ドアを開けて、
見回してみても、
静まり返った廊下に人影は無い。
部屋に駆け込んで、
今度は、
ベランダから探してみるけど、
…いない…。
大野さん、どこへ行ったの?
帰る場所は、
ここだよ。
俺の傍でしょ?
俺のこと「離さない」って、
「ずっと傍にいる」って、
言ってくれたじゃない。