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第66章 まさき by きぃな

【和也side】

「はぁー、もうこんなに暗い…」

バイトを終え愛車のチャリにまたがり、家路に就く。

ドッグトレーナーになる夢を追いかけ、上京して早5年。
学校は卒業したが、結局ドッグトレーナーの職には就かず、なんとかバイトの掛け持ちで生計を立てていた。

「まさき、だだいま」

質素なアパートに待つのは、学生時代にパートナーとして出会ったダックスフンド(4歳♂)の『まさき』
今では公私共に大事なパートナーなのは間違いない。

「あれ?」

俺が帰ると、勢いよく飛び出してくるはずなのに…

「まさき?どうした?」

いつもなら有り余る元気を俺にウザいくらいぶつけてくるのに、今日はじっとして動かない。

明らかに様子がおかしい。

「近くの動物病院、まだやってるかな…」

取り合えずまさきをキャリーに入れて、俺はチャリに飛び乗った。

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